学部長メッセージ

コミュニティ福祉学部は、1998年に新たな福祉の形を目指してコミュニティを基盤とする福祉の構築を課題に創設されました。本学部ではこんにちまで、異質性と多様性を尊重した共生のあり方としてのコミュニティに基礎を置く新しい意味での福祉学の探求を進めてきました。現代社会においても、また福祉の展開においても、コミュニティは重要な位置を占めています。わたしたちは福祉の実現を市民社会の側から目指して、福祉社会を具体化するための基盤としてコミュニティを位置づけています。しかし、ここでのコミュニティは地域コミュニティだけを意味していません。コミュニティは多様な人びとを関係づける仕組みであり、共有された価値理念に基づき連帯し、結びついた人びとの主体的参加による協働のもとに、作り出される意図的・人為的な社会組織です。

こんにちの社会を考える上でのキーワードとしては、グローバリゼーション、異質性、多様性、共生、社会的排除、社会的包摂などがあります。社会の変容に関わるこれらのキーワードに示されるような特徴的な社会のさまざまな課題に応えていくために、1学部1学科としてスタートをしたコミュニティ福祉学部は、2006年に福祉学科とコミュニティ政策学科からなる2学科体制となり、2008年にはさらにスポーツウエルネス学科が加わり3学科体制へと発展してきました。福祉学科は、新たな福祉ニーズに応えることのできる福祉実践を担うソーシャルワーカーの養成を、コミュニティ政策学科は、変容する社会における福祉社会形成基盤としてのコミュニティ構築に貢献する人材養成を、スポーツウエルネス学科は、スポーツを通じ人生の価値観、生きがい、さらには社会環境や自然環境なども含め、障がいの有無や老若男女に係わらず、すべての人が健康で豊かに生きる社会の形成に貢献する人材育成をそれぞれ目的としています。

コミュニティ福祉学部ではラテン語のVita dignitatiに基づく「いのちの尊厳のために」を学部の理念としています。この言葉は「生命のかけがえのなさのゆえに」「人生の尊厳のために」「生きることのかけがえのなさゆえに」などとも訳すことができます。このような理念をもつコミュニティ福祉学部での実践の一端は学部としての取り組みである東日本大震災の復興支援に見ることができます。2011年4月13日に「東日本大震災復興支援プロジェクト」を立ち上げ、5年間で計230回、2,800人を超える学生と教職員が支援活動を行ってきました。その軌跡を『復興支援ってなんだろう? 人とコミュニティによりそった5年間』(本の泉社、2016年)としてまとめました。本学部では福祉マインドを身に付け、「いのちの尊厳のために」という言葉を自分のものとして語ることのできる、人材の育成を進めてまいります。

コミュニティ福祉学部長
三本松政之