大学院生インタビュー

藤井駿
コミュニティ福祉学研究科博士課程前期課程2年

大学院に入学した理由を教えてください。

2014年にコミュニティ政策学科に入学して以来、授業を通してさまざまな社会問題に触れる機会があり、社会的にバルネラブル(傷つきやすい)な人びと、その中でも特にLGBTをはじめとしたセクシュアルマイノリティの方々を取り巻く問題に興味を抱きました。自治体や企業での「LGBTフレンドリー」な制度整備が進み、セクシュアルマイノリティの方々にとって一見寛容な社会になったように思われることが多いのですが、目に見えないさまざまな困難があることを知りました。卒論では文献研究によって「LGBTブーム」下でのセクシュアルマイノリティの連帯可能性について論じましたが、さらに調査によってセクシュアルマイノリティの方々の困難を形作る社会の問題点について深く考えたいと思い大学院に進みました。

どのような研究を行っていますか。

興味のある分野のフィールドに入って行く中で、セクシュアルマイノリティを自認する学生の「居場所」提供を目的とした大学生サークルとの交流を持ちました。私の研究では、中学・高校では孤立しがちだったセクシュアルマイノリティ学生が、大学生になり同じ属性を持った仲間に出会うことで、自分のアイデンティティを確立し、セクシュアルマイノリティを抑圧する社会に対して問題を感じていく過程を調査により明らかにします。今の社会では差別と戦う「強いセクシュアルマイノリティ当事者」や、タレントの方々が目立ちます。一方で、社会で差別を感受しながらも、一つ一つ身近な課題を解決していくことで生き抜いていく人たちはあまり着目されません。それらの人々が持っている社会を変える力を論じていこうとしています。

大学院生としての生活について教えてください。

週1回研究指導を受けながら先行研究の検討を行いつつ、インタビュー調査の準備を行っています。また研究会や講演会に参加し、ジェンダーおよびセクシュアリティ研究の動向を探り、研究者の先輩方にアドバイスをいただくこともあります。学外では、高校時代から続けている演劇をはじめとした表現活動を行っています。最近では学部時代の友人と、「生きづらさ」をテーマに歌を創作してさまざまなステージで演奏しています。抑圧的な社会で困難を抱えながらも、生きるための戦略を持っている人びとと歌を通してコミュニケーションしていく中で、自分にも何ができるのかを日々問い続けています。

大学院の勉強は将来どのように活かしたいと思いますか。

研究者と表現者の2足のわらじを履いていこうと考えています。まず現在、後期課程に進学する準備を進めています。引き続き社会的にバルネラブルな人びとを取りまく困難や社会的な抑圧について、社会学および社会福祉学の観点から明らかにしていくことで、福祉の現場に還元していきたいと思っています。
同時に、学問の世界に閉じこもるだけではなく、学問と社会を繋げていく1人として活躍することを目指しています。そのためにさまざまな「生きづらさ」を抱えた人々が、芸術表現を通して共に生き抜いていく力を得られるようなコミュニティを築く試みを始めています。

最後に、受験を考えている方に、コミュニティ福祉学研究科の特徴や魅力を伝えてください。

コミュニティ福祉学研究科に所属する院生の仲間は、それが元々自分と関わりのないことであったとしても、いろいろな社会問題に対し「自分事」として考えながら研究をしているのが特徴だと思います。フィールドに出かける院生、既にフィールドを持っている社会人院生が多く、研究室の会話も多岐にわたります。新しい問いが生まれやすいという意味で、研究をするのに非常に恵まれた環境ではないでしょうか。「自分事」として何かの問題に向き合っていきたいあなたに、ぜひコミュニティ福祉学研究科をおすすめします。

※2019年インタビュー当時の情報です。